なぜ49%なのか?
工事量が減り、落札率が下がるようになって
設計価格の70%で工事を受注しなければならなくなった頃
そんな低い金額では絶対に利益は出せないと思いました。
しかし当然、経営は待ったなし。
経営者の決断は早かった事を覚えています。
実行予算の作成も
監督さんまかせだけでなく
経営者も一緒になって何とか良いアイデアはないのかと考え
着工までの期間も短縮をはかり
見積もり交渉も何度も繰り返し
どのうような段取りで
そして
少しでも安く、より安全に
着工前の実行予算への取り組みに力を注ぎました。
そして一人また一人と利益に対する意識が社内に芽生え始めていきました。
決して短い期間ではありませんでした。
根気よく日々のコストと段取りに経営者が声をかけ
夕方の社内の雰囲気は少しずつ、明日の段取りの工夫を行うようになっていきました。
今思えば日々の損益をつかむことで
経営者と現場担当者の間で不安が解消され、安心と信頼が生まれたように感じます。
明日の段取りを考える若いスタッフも
明日の目標作業量を予算から逆算することで
明日の目標を達成させるための段取りを工夫し
明日の朝礼では本日の作業量を具体的に指示するようにも成長しました。
厳しい受注環境だからこそ
コミュニケーションを大切にし取組んでいった成果だと確信しています。
70%での受注なんて最初は無理だと思っていましたが
気が付くと70%でもやれる体質に進化し
会社を経営するための一般管理費も叩き出せるようになっていきました。
全ての工事とは言えませんが70%で受注した工事を70%で仕上げることで
7×7=49(ヒチヒチ49)が経営の合言葉にもなったことを覚えています。
現場の原価管理とは安心と感動を与えられる手法であることを願っています。