けんちゃんの建設業IT講座:工程表
工程表について考える
まず、建設業に入って最初に勉強しなければいけないのは、工程表。
これが、全ての基本になっている。
で、工程表はどこまでIT化できるか?
と、いう問題を解決するためにいろいろ考えてみよう。
全国から
「簡単に工程表ができないか」
というような質問が数多く来る。
毎日来る問い合わせの中で、
一日に10人程度の技術者が「簡単に工程表を作りたい」そういう問題を抱えている。
で、その問題解決の早道、
僕が32年前、やっぱり同じように工程の勉強をしたことがある。
それ以来ずぅっと、工程を詰める・工程を考えるということは即、利益につながる。
「無駄なくむらなく仕事をスピーディに工期に間に合わせる」
という使命の元には、工程表は必ず必要である。
しかもそれは何と
「原価管理そのものにまで、影響する」
「原価管理と裏表である」
ということが、理論的に証明できる。
実行予算は全て実際の作業の流れ、
つまり、工程表の流れそのものをコストとして見て
で、このラインは何人で何日かかるか
じゃあ、この作業は何人で何日かかるか、
機械は何台で何日かかるのかとなどという計算は
全て通常の流れの作業段取りの中で、
作業段取りを予想して工程表は作られる。
その時の計算をお金で積み上げれば
実行予算そのものになる。
話を元に戻して、
「簡単に工程表がソフト化できないか?
簡単にできるソフトはないか?」
などという質問に対して、僕はこう答えたい
現場に対して原価管理をしていこうとか、
作業段取りが飲み込めているとか
工程表が自分で手書きで作れるとか
そういう人にとっては、
これは目からウロコの落ちるようなすばらしいITソフトが存在する。
しかし、
そういう現場技術者とは別に、
「ただ単に早く書きたいんだ」とか、
「理屈抜きで簡単なソフトはないか」などと考えている人には
「到底そんなソフトは存在しない。」としか答えようがない。
工程表には施工管理者1級の試験の時に出てくる
CPM(critical pass method)方式のネットワーク工程表を参考に考えるのが、
一番よくわかる。
それぞれ、工程表を作る手順があり、
プランニング・スケジュ-リング・日程計画・フォローアップ
工期からはみ出たものを工期内に収める
工期の短縮というような作業
そういう諸々が理論的に理解してできて初めて工程表は成り立つ。
それをIT化するのはすごく簡単である。
計算する部分を全てコンピューターに任せて、
作業段取りはどうなるという判断する部分を
現場技術者がここの工期は何日までに済ませたいから
この作業はどのくらいの人間をかけて
何日で仕上げたいというようなプランを立ててそれに後先をつなげて
後続作業・先行作業を判断してやる。
その判断データをコンピューターに渡して
初めてネットワーク工程表はIT化できるのである。
その辺を理解すると
「工程表はもっと身近にこんなに簡単にできるんだ」と、
変わっていく。