ミヤシステムが誕生した1990年代当時は原価管理の話をしても笑われた記憶がある。
「現場が原価管理する必要はない。」
「そんな暇があったら現場を進めたほうがいい。」
ましてやパソコンなんて!そんな声も多かった。
ひどいときは「お前の親父はパソコンボケかぁ」まで言われた。
しかしあれからたった10年間で建設業を取り巻く環境は大きく変化した。
受注や価格といった経営を危ぶむ問題だらけとなり
原価管理は最優先事項となった。
そしてどうしようもなく、頑張るタイミングを失い悲しい結果となる事も最近は耳にすることがある。
悲しい現実だと思う。
ミヤシステムもあのときの思いが今の10年20年後を見据えていた。
「このままでは生き残れない。」
「現場の利益を出す体制を整えたい。」
厳しい時代になっても働いてくれる社員とその家族を守るための強い会社を築きたい。
その為には現場の今が手に取るようにわかる仕組みをつくり、
現場が終わってみないとわからない不安だらけの原価管理から一日でも早く脱出したい。
そんな不安を一身に背負い原価管理に取り組んできた。
当然、初めは社内からの反発もあった。
だって日報も悪く言うと「てきとうな手書き」だったしパソコンの必要性もなかったからだ。
何がここまで継続させたのかは言うまでもなく経営者の経営方針であり経営者の熱い思いだったと思う。
毎日現場から戻ると今日の出来高を作業毎に登録して原価も入力する。
そうすると本日の損益が表示される事が入力する私にとっては今日の成績にも感じた。
赤字の日はなんだか自分に負けた感じだったし儲かった日はパチンコに勝ったときのようなうれしさだった。
また大事な進捗も工程表で照らし合わせながら明日の予定日報へと作業を繰り返していた。
予定日報では明日の最低目標をクリアするための試行錯誤が前日の夜繰り返していた。
いま思えば明日の段取りを考える事がとても重要であり、日々の不安も打ち消していたのだと思う。
そして日々の繰り返しが大きな成長へとつながり厳しい時代にも打ち勝つ原価管理となるのだと感じる。
やはり原価管理はリアルでなければ意味がない。
今がわかるタイムリーでなければ判断や対応も遅れてしまうのだと思う。
原価管理には時間軸がある事も絶対に忘れてはいけない。
だからこそ工程とも関連性が生まれるしスピード感がなければ利益を出すためのドキドキ感がないのだと思う。
私にとって原価管理の重要性とは「やってやるぞー」といった熱い思いで取り組んでいくものだと思う。
また成功しているお客さん達の共通点もやはりみんな原価管理に対してプラス思考であるし熱いハートを持っている。