-以下本文抜粋
商品・技術紹介
“収入印紙代をゼロにする”「請com」で、
土木建設業向けのASPサービス事業を開始
工事請負契約書や工事注文請書などは課税文書に当たるため、請負契約書などに記載された契約金額に応じて所定の収入印紙を貼る必要がある。(契約金額1万円未満は非課税)
しかし、従来の紙での契約書を電子化し、一定の要件を満たすと収入印紙は不要である。この点に着目して、“収入印紙代をゼロにする”「請com」を開発、昨年11月から全国の中小土木建設業向けASPサービス事業を開始したのが、大分市の「ミヤシステム株式会社」である。
電子契約・電子署名で印紙代をゼロに
ミヤシステムは、地場中堅土木建設業の宮脇建設(大分市横尾)の関連会社。先代社長故・宮脇健司氏が、元々は自社の「原価管理体制の確立」のために開発したソフトに採用した独自手法で特許を取得したのを機に、宮脇建設から分社化し全国の中小土木建設企業向けのパッケージソフトの開発、販売、保守サービスを行っている。
MIYAシステムは特許を取得した「作業のグループ化」という手法によって予算・工程・原価を一元的に管理することで、「かつては、現場で今いくらかかっているか?現在はどれくらいの仕事が完了しているか?が工事完了時にしか分からなかったものを、リアルタイムに把握できるようにした」工事原価管理ソフト。現在までに全国の約300社が導入している。
同社は北は北海道、南は沖縄までの全国のユーザを大分に集めたミヤシスサミットを開催するなど、中小土木建設企業向けの原価管理ソフトとしての“標準化”に取り組んでいるが、これと並行して建設業向けの経費を縮減するためのシステムとして開発したのが“収入印紙をゼロに!”を謳った「請com」である。
請負契約書などに必要な収入印紙税は、平成21年3月末までに作成される1,000万円を超える契約では軽減措置があるものの、1,000万円超5,000万円以下の工事では15,000円。5,000万円超1億円以下の工事では45,000円と1件の契約にかかる印紙税の金額は少なくない。
平成13年4月から施行された電子署名法では電磁的記録(電子文書など)は、本人による一定の電子署名が行われているときは、手書き署名や押印と同様の法律上の効力が認められた。つまり、すべての請負契約書作成を電子署名つきの電子契約を行うことによって、収入印紙税をゼロにしようというものである。
宮脇貴代之社長によると、「建設工事では契約金額が大きく、年間にするとかなりの額の印紙代負担が発生している。また、契約書自体は現在でもパソコンで作成することが多くそれならば、電子署名のメリットを生かすことはできないかと2年ほど前から開発に取り組んできた」そうで、大分県の平成19年度中小企業技術・製品開発支援事業に採択され昨年3月までに基本設計を完了。その後、試用しながら製品化し、昨年11月17日からインターネットを介したASP事業を開始した。
2次的なコスト削減効果も
「請com」は電子契約で印紙代ゼロを、即費用効果を実感できる機能としているがそれには2次的なコスト削減効果も大きい。例えば、①工事の印紙代は高額なため都度購入することが多い、②紙文書での契約となると郵送や持参が一般的である。などを考えてもその労力や時間のロスは多い。電子契約を行い請comなどの通信技術を利用して相手に送信ができれば、契約完了までの時間は大幅に短縮できる。
また、請comは大分県に引き続き、昨年末には大分市のトライアル認定を受けたが、これには工事関係者間の情報共有(工事管理機能)も含まれる。工程や打合内容、スケジュールなどを「いつでも」「どこでも」確認することができれば、段取りのロス削減にもつながるという。
当面、1,000件の契約を目指す
「請com」を利用するために必要なものは電子証明書(ICカード)とインターネットにつながったパソコンのみ。ICカードは、電子入札が一般的となった建設企業はほとんどがすでに取得しているため、請comを利用するための環境は整っているということである。
請com(http://www.e-ukesho.com/)
電子署名機能ではすでに、法務省、日本電子認証、ジャパンネット、帝国データバンクなどの電子証明書の発行元と提携しており「当面は1,000件の契約先確保を目指す」方針である。
ASP事業の開始に先駆けて行った建設企業での聞き取り調査では、「少ないところでも年間10万円、多いところでは30万円くらいの印紙代があった。これが利用料(電子契約機能3,675円/月)のみとなれば、目に見えてコスト削減が可能である。加えてICT記述のスキルアップや手間の削減を考えればメリットは大きいはず」といい、今月12月までの100社限定モニター制度(21,000円の初期設定費用のみで工事管理機能の月額料金は無料)を突破口に、MIYAシステムとも連動させならが全国に契約先を増やしていくことにしている。
数ある原価管理ソフトの中で唯一特許を取得しているMIYAシステムと同様、コスト低減・生産性向上のツールとして建設企業の利益確保を支援する、この「請com」が公共工事の大幅削減で厳しい経営を強いられている業界の救世主となるか注目されるところである。