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「リアルタイムな損益管理」 No.076 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━… 未来への地図 原価管理の重要性(7) 現場を預かる者たち コスト管理=技術屋だ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━… No.076 「リアルタイムな損益管理」
リアルタイムな損益管理 現場における日々の損益管理を実現するために必要な二つの要素(本日の出来高と原価)が必要であることを前回に述べました。そして皆さんが悩んでいる出来高をいかにして簡単に把握するかについて考えていきます。 私はこれまでリアルタイムな損益管理がなぜ実践されなかったのか、原因についてこのように考えています。(1)既存の積算体系では現場の作業段取りとは違いが生じ管理できない。(2)古き良き時代、日々管理なんて行わなくても経営ができた。(3)便利なITツールがなく、日々の損益管理が煩雑で実現できなかった。 以上のように考えていますが、実践を前提に考えますと(1)の既存の積算体系をいかにして現場の作業段取り通りの管理手法に置き換えるのかにポイントを置いて考えなければなりません。 ここからが本題ですが、現場の作業段取りを描きながら工程のワンラインを考えてみてください。ワンラインの中には設計書の各工種が必ずしも一つだけとは限らず複数の作業が同時進行するケースもあるはずです。 また、日々現場に投与されるコスト(原価)についても工程のワンラインに対して作業を進めていきますので、日々の損益を簡単にかつリアルに把握したいのであれば、工程ベースで原価管理を行うことがより現実で、しかも簡単に行えます。積算体系を批判するつもりはありませんが、受注前の入札には積算が必要不可欠です。 そしてその流れのまま積算データを原価管理に反映させようとすると日々管理が少しややこしくなっていたのです。積算体系の工種を工程のワンライン上で同時進行するグループ作業として管理しやすい単位で管理すれば、今まで悩んでいた出来高管理に希望の光が見えてくるでしょう。 日々の現場の損益や進ちょくが見えるようになれば社内にどのような変化が訪れるでしょう。原価管理の目的についても考えてみてください。集計するだけが目的であれば請求書を集計すれば確実ですが、現場の原価管理にはどのような目的が必要でしょうか。 ぜひ一度ゆっくりと考えてみてください。私はやはり現場を預かる人たちの「コストに対する意識の向上」だと思います。地図に残る誇りある仕事をやる以上、その企業や自らのプライドや生活のためにもしっかりとしたコスト管理をやってこそ技術屋だと思っています。皆さん一緒に頑張りましょう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━… 未来への地図 現場を預かる者たち コスト管理=技術屋だ 鹿児島建設新聞 平成23年9月27日(火) 第12548号 掲載 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━… |